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皆さんこんにちは!
株式会社豊和設備工業、更新担当の中西です。
FCAWはフラックス充填パイプ状ワイヤを用いるため、自己防護型(FCAW-S)ではシールドガス不要で屋外・高所・風環境に強く、ガスシールド型(FCAW-G)ではCO₂やAr混合で高能率×高品位を両立できます。高溶着速度・多姿勢適性・厚板対応が三種の武器。ここでは条件設計→欠陥ゼロ化→段取り→投資判断までを実務で使えるレベルに落とし込みます。⚙️
1|プロセスの全体像(SとGの違い)
• FCAW-S:風に比較的強い/ガスボンベ・ホース不要/スラグ厚め/ヒューム多/外観はやや粗い傾向。屋外梁・仮設・補修に◎。
• FCAW-G:ガス遮蔽で金属光沢と低スパッタ。多層多パスの突合せ・隅肉で一次合格率が高い。工場製作・屋内構造物に◎。
2|条件設計の出発点(5要素)
1) ワイヤ径(1.2/1.4/1.6mm):厚板・姿勢・狙う溶着速度で選定。
2) 電流・電圧:短アーク=安定・低スパッタ、高すぎる電圧はアンダーカットの温床。
3) CTWD(突出長):10〜20mm目安。長い→電流低下・融合不足、短い→スパッタ増。
4) 移行モード:スプレー/パルス対応銘柄の活用。
5) ガス(Gのみ):Ar-CO₂(80/20)万能、90/10でスパッタ低減、100%CO₂はコスト重視。流量12–20 L/min。
3|運棒・姿勢の“型”
• ドラグ(引き)が基本:スラグを後方に保ちスラグ先行で融合と濡れを安定。
• 上進隅肉:三角ウィーブで止め・置き・送るをリズミカルに。端部で1拍置く。
• ルートパス:開先付き突合せはSMAW/TIGでルート→FCAWで充填のハイブリッドが安定。
4|欠陥と“現場是正のコツ”
• スラグ巻込み:織り幅広すぎ/端部滞留不足/層間清掃不足→織り幅を板厚相応に、端で止める、層間ブラシ+チッピング。
• アンダーカット:電圧高/速度過大→電圧−1〜2V・速度▼、角度10〜15°。
• 気孔:風・湿気・油→遮風・乾燥・脱脂。Sでも遮風板が効く。
• 融合不良:CTWD長すぎ・入熱不足→突出短縮・電流↑、開先見直し。
5|段取り・治具・環境
• 遮風スクリーン:梁上は必須。火花下階侵入も同時に遮蔽。
• 仮付位置:最後に消える場所に配置し歪み計画と整合。
• 層間温度:150–250℃目安で安定、赤外温度計で数値管理。
• ノズル・チップ・ライナ:スパッタ付着→ガス乱流の元。清掃をタクト内に組み込む。
6|実務A3:a8隅肉(立向上進)の標準化
• 条件例:ワイヤ1.2mm、電流180–220A、電圧22–24V、CTWD 15mm、Ar-CO₂(80/20) 15 L/min。
• 動作:三角ウィーブ、端で“止め”0.3秒、戻し終端。
• 検査:a寸ゲージ、余盛2–3mm、アンダーカット深さ<0.5mm、層間PT(必要時)。
7|安全・健康
ヒューム・騒音はGMAWより多い傾向。局所排気・送気・耳栓の“三種の神器”。ヒューム溶接作業の規制対応(SDS・測定)を運用。
8|コスト・ROI
溶着速度(kg/h)×再工率で実力比較。FCAW-Gはガス費が増えるが一次合格率↑で総原価↓のケースが多い。ノズル清掃の自動化も効果大。
9|チェックリスト
☐ 遮風スクリーン設置
☐ CTWD 10–20mm
☐ 角度10–15°(ドラグ)
☐ 層間ブラシ・チッピング
☐ ガス流量とノズル清掃
☐ 終端“戻し”でクレータ処理 ✅
10|まとめ
FCAWは“外でも強い半自動”。遮風・短アーク・層間清掃の三点セットを標準化すれば、厚板・多姿勢で最短距離の品質が出せます。次回はSAWで長手厚板の生産設計に踏み込みます。
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